こんにちは。いきなりですが、MAYUKOの夫です。妻のブログを読んでいただいてありがとうございます。
今回は、この妻のブログの場を借りて、子どもの英語教育について、私がアメリカの大学に来て感じたことを書きたいと思います。子どもがいらっしゃる又は将来子どもを持つ予定の読者の皆様の参考になるのかはわかりませんが、アメリカ人大学生と話をして、ある程度の衝撃を受けていますので、その衝撃をできる限りお伝えしたいと思います。
Contents
私(MAYUKOの夫)とアメリカ人大学生との出会い
私は現在、ロサンゼルスにある大学に、Graduate Student(大学院生)として通っています。
その大学には、「日本語会話パートナー」というような制度があって、英語のnative speakerで日本語を勉強したい人と、日本語のnative speakerで英語を勉強したい人を大学の斡旋により結びつけ、日本語と英語を教え合う、ということができます。
いい制度ですよね。我々、「世界一英語できない民族」たる日本人としては、ネイティブの学生と長い時間話ができる機会をいただけるのはありがたい限りです。
この制度で出会ったのが、Undergraduate(学部生)4年生の女の子です。(女の子というと語弊があるかもしれませんね。でも私より10年くらい若いんですもの…。)
彼女のEthnicity(民族)は台湾で(Taiwanese-Americanというのでしょうか)、英語と台湾語(Mandarin)のnative speakerです。いわゆるバイリンガルですね。「日本語は趣味」としてやっているそうです。趣味にしては日本語もよくできている気がしますが…。
この彼女と、週に1度、1時間程度、キャンパスのベンチかなんかで話をしています。一応、私が可能な限り日本語を使用して彼女に日本語を教えていますが、彼女は教育業界に興味があるらしく、会話の最後はいつも「あるべき教育論」を熱く語る(英語で)、というのが最近の傾向です。笑
私は今や2人の子の父親であり、このアメリカ生活という特殊な環境で、彼らの今後の教育についていつも思いを巡らせていますので、この話には非常に興味があり、彼女に色々と聞いてみています。実際、とても勉強になります。
彼女は現在、就職活動中ですが、本命のところは既に内定が出ているとのことです。
就職活動をしながら彼女が考えている自身のキャリアの話を聞いて、私との違いに愕然とする
彼女は、ビジネスや経営の学部に所属しており、就職の第一志望はコンサル会社だそうで、内定先はサンフランシスコのコンサル会社とのこと。
なぜそこに行くのかという話を聞いていると、業務分野は勿論のこと、その会社での業務を通じて将来的にたくさんのOpportunityがあるからだと彼女は言います。自分のスキルアップの機会、転職の機会、海外勤務の機会、そういった全てのJob Opportunityを指して言っていました。彼女は、台湾や中国(香港、上海、北京など、いわゆるGreater China)でもいつか働いてみたいと言います。
そうであれば、今回の就職活動でアジアに就職することは考えなかったの?と聞くと、
- 最初にアジア企業だとそれ以後のOpportunityが限られる
- 学部時代に既にインターンで香港と上海のコンサル企業へ行っている。特に上海のコンサル会社は企業風土が自分に合わないことが多いと感じた
- サンフランシスコは多様な文化及び先端の技術や知識が集中していて、まずはそこで学びたい
- しかし最終的にはアジアの教育産業で働いてみたい
だそうです。若いのにしっかりし過ぎてビビります。10年前の自分と比べて考えると、衝撃を受けずにはいられませんでした。
彼女の卓越した点を具体的に挙げてみますと、
- 若いうちにinternationalな経験を多く積んでおり、それを踏まえて自分の働く仕事の内容と場所を世界規模で考えている。
- 既に将来的なOpportunityを見据えて働く場所を選択している。
というあたりでしょうか。(ちなみに彼女の月収は8,000ドル(約100万円)の予定とのこと!)
私は、日本の田舎の出身で、田舎の公立の小中高を出て、大学で東京に出て、大学院に入って勉強して資格を取得し、主として東京で働いている、という凡庸な人間ですが、そういう人生の中でも、それでも多様な選択肢を模索して生きて来たつもりではいました。(結果としては凡庸な人生となっております。)
そういう私と彼女との間の決定的な差は、まさに選択肢の数や、彼女のいうOpprtunityの数の差です。
「ロサンゼルスでも、サンフランシスコでも、上海でも台北でも働けますけど、●●という理由で今回は東京を選びます。でもそれは将来のOpprtunityを見据えてのことですけどね。ははは」という考え/選択肢は、20歳そこそこの、10年前の私にはありませんでした。
彼女のような人間がこの世に存在することは、私も知識としては知っていました。おそらく日本にも彼女のような人はいらっしゃると思います。しかし、今回、そういう人間を実際に目の当たりにして、恥ずかしい話ですが、ある程度の衝撃を受け、愕然としました…。自分とあまりにも違いすぎるだろ…と。
Opportunityの多い人生は幸せに繋がると思う
彼女のような人間は、幸せな人生を送ることができる可能性が高いと、私は思います。
なぜなら、選択肢が多いからです。選択肢が多いということは、より楽しい方へ、より経済的に豊かな方へ、よりリスクの低い方へ、より自分に適した場所へ、自分の人生をコントロールできるはずだからです。
私も、自分の人生を少しでもこのようなものに近づけたいと思うと同時に、自分の子どもの人生も、少しでもこのようなものに近づいてほしいと思わずにはいられません!(そして私を助けてください、子供たちよ。)
彼女の生き方を支える語学力と他文化の経験
子供の頃に英語と中国語を使えるようになること、兎にも角にも現代ではそれが一番重要なことだと彼女は言います。なんなら、それ以外のことは子供の頃にはやらなくていいと。
そしてもう一つ重要なことは、新しい環境や異なる文化に対し、それを楽しむことのできる心を子供の頃に育むこと、とのこと。以上の点が満たされていれば、あとは子どもが勝手に好きなことをやり出すでしょう、ということです。
この点について面白い話を聞きました。
彼女の友達の中国人と台湾人の中には、子供の頃に自国で英才教育を受け、高校や大学からアメリカに来る、という方々もいるらしいのですが、そのような人たちは、当然富裕層の家の出身です。そういう人たちは、子供の頃から自国の私立の学校で英語を習い、うまくいけばバイリンガルのようになっているということです。(もっとも、いずれかの言語があまりできないという人もいるようです。それはさておき。)
バイリンガルのようになったところまでは良いのですが、そのように経済的に豊かな集団の中で育った人たちは、海外の文化に興味がなかったり、新しい環境で新たなチャレンジするというモチベーションを欠いていることがよくあるそうです。そういう人たちは、自国に戻り、Family Businessを継ぐそうです。(もちろんそれが悪いことでは全くないんですが。)
異文化に身を置くと、普通、私たちにはストレスがかかります。言語、習慣、気候、人々、食べ物…、それまで生きてきた環境と違うところで生活するのですから、当たり前です。あまり大事に育てられると、そういうところでチャレンジする気持ちが育まれにくいのかもしれない、と彼女は言っていました。
彼女自身、中高はPublic Schoolだったそうですが、彼女はそこで色々な人や文化に触れたことがよかったと言っていました。子供の頃にはExposureが大事だと。他文化に晒されること、ですね。
小さい頃に培ったマルチな言語能力と、マルチな文化に晒され培った経験が、現在の彼女の生き方を支えていました。
まとめ
彼女との会話を通じて、私は、子どもたちには絶対に英語を学ばせようと心に決めました。今までも思ってましたが、今ではより強く思います。多少のお金がかかろうとも、そこに投資する大きな意味があると感じています。
英語をうまく使えるかどうかで、将来の子供の可能性の広がり方が全然違うことを実感しています。選択肢があった上で選べるということこそが、自由だと思います。
それだけでなく、彼女のいう色々な経験をさせること(Exposure)も大切にしなければなりません。子供たちには、できれば、「そこに機会があれば、自分はそれを楽しめるよ」というマインドセットをして欲しいです。そのためには、まず私たち親が、新しい環境を楽しんでいるところを、人生を楽しんでいるところを、子どもたちに見せることが重要だと思います。